本棚がいっぱいになってきて、手持ちの漫画をスキャンしてデータにした人は多いと思います。ところが、スキャンが終わったあとの「どう置いて、どう読むか」で迷う人も少なくありません。この記事では、画像を ZIP などにまとめたまま読むやり方と、あとで困らないための整理のコツを書きます。
自炊とは
「自炊」は、自分で持っている本をスキャナーで読み取り、画像やファイルにすることを指す言葉です。本を自分で裁断してスキャンする人もいれば、裁断せずに撮影する人もいます。
ひとつだけ気をつけてほしいのは、著作権のことです。自分で買った本を、自分や家族など限られた範囲で読むために複製するのは認められていますが、できたファイルを友だちに渡したり、ネットに上げたりすれば、その範囲を超えてしまいます。自炊したデータは、自分で読むためだけに使ってください。
ZIP・CBZ・RAR・7z の違い
スキャンした画像は 1 冊で数百枚になります。これを 1 冊ごとに 1 つのファイルにまとめるのが「アーカイブ」です。よく使われる形式はいくつかあります。
ZIP と CBZ
ZIP は一番広く使われている形式で、パソコンでもスマホでも標準の機能で作ったり開いたりできます。CBZ は中身が ZIP そのもので、拡張子だけを「漫画(コミックブック)用」として変えたものです。ZIP の名前を .cbz に変えるだけで CBZ になります。
RAR と CBR
RAR は圧縮のしかたが ZIP と違う形式で、開くことはいろいろなアプリでできますが、作るには専用のソフトが必要です。CBR は、CBZ と同じ考え方で RAR の拡張子を変えたものです。昔から自炊をしている人の手元には、RAR のファイルが残っていることがよくあります。
7z
7z は、圧縮率を高くしやすい形式です。ただし、漫画のスキャン画像は JPEG などすでに圧縮された形式で保存されていることが多く、アーカイブでさらに圧縮してもあまり小さくなりません。そのぶん開くのに時間がかかることもあるので、画像をまとめるだけなら ZIP(CBZ)で十分、という考え方もあります。
これから新しく作るなら、扱えるアプリが多い ZIP か CBZ にしておくと、あとで困りにくいです。
解凍せずに読むと何がいいのか
アーカイブを解凍すると、1 冊ぶんの画像がばらばらのファイルとして出てきます。何十冊もあると、ファイルの数は数万にもなります。解凍せずに読めるビューアを使うと、次のような点で楽になります。
- 1 冊が 1 ファイルなので、コピーや移動、バックアップが速く、まちがいも起きにくい
- 本棚の画面が「1 冊ずつ」並ぶので、どこまで読んだかを把握しやすい
- 解凍したファイルと元のファイルが二重に残って、容量を圧迫することがない
とくにクラウドや外付けのドライブとやりとりするときは、小さなファイルが大量にあるより、大きなファイルが少しあるほうが、ずっと速く終わることが多いです。
ファイル名とフォルダの付け方
整理で一番効くのは、ファイル名のルールを先に決めておくことです。
巻数は桁をそろえる
「作品名 1巻」「作品名 2巻」…「作品名 10巻」と付けると、アプリによっては 10 巻が 1 巻のすぐ後ろに並んでしまいます。「作品名 01巻」「作品名 02巻」のように、桁をそろえて 0 を足しておくと、どんなアプリでも順番どおりに並びます。全 100 巻を超えそうなら 001 のように 3 桁にします。
アーカイブの中の画像も同じです。スキャナーが付けた名前のままでも並びは正しいことが多いですが、ページが入れかわって見えたら、まず中の画像のファイル名の桁を確かめてみてください。
1 作品 1 フォルダにする
フォルダは「作品ごと」に分けて、その中に各巻のファイルを入れるのがわかりやすいです。作者ごと、出版社ごとのように深い階層にすると、あとから探すときに迷いやすくなります。分け方に迷ったら、まずは浅くしておきましょう。
名前に入れる情報を決めておく
作品名、巻数のほかに、上下巻や番外編があるなら「作品名 外伝 01巻」のように、どこに何を書くかを決めておきます。全角と半角のスペースが混ざると並びがずれることがあるので、どちらかに統一しておくと安心です。
NAS やクラウドに置いたファイルの読み方
冊数が増えると、スマホやタブレットに全部は入りきらなくなります。そこで NAS(家庭用のネットワークストレージ)やクラウドに置いておき、読みたい分だけ持ってくる、という使い方が考えられます。
考え方は大きく 2 つあります。ひとつは、読むたびにネット越しに開く方法です。端末の容量を使わない代わりに、電波の悪い場所では読めなくなります。もうひとつは、読む予定の数冊だけを端末にコピーし、読み終わったら消す方法です。移動中や機内でも読めて、ページめくりも速くなります。
iPhone や iPad の「ファイル」アプリは、iCloud Drive などのクラウドに加えて、家の NAS にも「サーバへ接続」からつなげます。そこから読みたい巻を選んで端末にコピーすれば、出先でも通信なしで読めます。元のデータは NAS やクラウドに置いたままにしておくと、端末をなくしたり壊したりしても本棚は残ります。
八百万ビューワで読む
梅工房の 八百万ビューワ は、ZIP・CBZ・RAR・CBR・7z を解凍せずに開ける iPhone・iPad 向けの漫画ビューアです。「ファイル」アプリから選んだファイルを本棚に入れて、右開き・見開き・縦スクロールなど好きなめくり方で、端末の中だけで読めます。